草木染めのやり方 簡単に自宅でもできる方法を染物屋がお伝えします。

投稿日:2018年5月17日 | 最終更新日:2022年12月24日



「草木染めをやってみたいなぁ。」

と、思っていても。

「詳しいやり方が、わからない」

と、お困りの方も、多いのではないでしょうか。

草木染めは、方法とコツさえわかれば、そんなに難しいものではありません。

子供でも、簡単にできてしまうほど。

しかも、自宅のキッチンでもできるんです。

今回は、初めての方でも簡単にできる、草木染めの方法をお伝えいたします。

草木染めのやり方 簡単に自宅でもできる方法って?

草木染めは、そんなに難しいものではないと、お伝えしましたが、

実は、やり方によっては、難しいものもあります。

温度や時間を細かく管理したり、2種類の染料を使ったり、何度も染め重ねたり。

草木染めとは、こうして手間ひまをかけることで、優しく、やわらかい色合いになる、とても奥深いものです。

ですが、今回は、そういった難しいことは一切せず、

自宅で簡単に楽しめる、草木染めの方法をご提案したいと思います。

染める植物を決める

まず、どんな植物で染めるかを決めます。

野菜やフルーツの皮、花や葉など、自然のものなら、なんでも染まるのですが、

その中でも、いちばん簡単でキレイにできるのが、玉ねぎの皮です。

玉ねぎの皮なら、ご家庭でも用意しやすいですよね。

皮は茶色ですが、染めると、明るいキレイな黄色になるんです。

もちろん、他の材料でもかまいませんので、用意しやすいものを選びましょう。

選ぶ材料によって、染め上がりの色が違うので、染めたい色で選ぶのもいいですね。

玉ねぎの皮…明るい黄色
ナスの皮…灰紫色
よもぎの葉…うす緑色
ブドウの皮…うす紫色
みかんの皮…淡黄色

材料と道具を用意する

染める植物が決まったら、材料と道具を用意します。

今回は、いちばん簡単な、「玉ねぎの皮を使って、白いハンカチ1枚を染める」という例でご説明していきます。

<材料>

・ハンカチ1枚
(綿、麻、絹がおすすめ。ポリエステルは染まりません。)

・玉ねぎの皮 3〜4個分
(染める布と同量の重さの材料が必要です。)

・ミョウバンor焼きミョウバン
(スーパーに売っています。)

<道具>

・なべ 2個
・さいばし
・ネット
(排水口のゴミ取りネットでOK)
・ボウル
・輪ゴムやビー玉など

材料を煮出して染液をつくる

玉ねぎの皮を、ネットに入れて、口を縛ります。

なべに、ネットに入れた玉ねぎの皮と、皮がひたひたに浸かるくらいの水を入れて、グツグツと煮出します。

沸騰させずに、じっくり煮ると、キレイに色が出ますよ。

20分〜30分ほど煮て、濃い茶色の液になったら、玉ねぎの皮をネットごと取り出します。

ハンカチをお湯で煮る

染液をつくっている間に、もうひとつの鍋にお湯を沸かし、ハンカチを10分ほど煮ます。

これは、ハンカチについている汚れを取るため。

汚れがついていると、キレイに染まりません。

煮たあとは、よく絞っておきます。

ハンカチに模様をつける

染め模様をつくるために、ハンカチを輪ゴムで縛ります。

ビー玉を包んで縛ってもいいし、お好きなように。

もちろん、縛らず、そのままのハンカチでも大丈夫ですよ。

染液にハンカチを入れて煮る

染液に、ハンカチを入れて、沸騰しないように煮ていきます。

染めムラにならないように、さいばしで、かき混ぜながら、20分ほど煮ます。

終わったら、水洗いし、よく絞ります。

このとき、ねじるように絞るのではなく、ハンカチを押さえるようにして水気をきると、染めムラになりにくいですよ。

ミョウバン液に漬ける

ボウルに、ミョウバン大さじ1を入れ、少しのお湯で溶かした後、水1リットル加え、ミョウバン液をつくります。

絞ったハンカチを、ミョウバン液に20分ほど浸けます。

さいばしで、ユラユラさせながら浸けていると、くすんだ茶色だったハンカチが、不思議なことに、パッと明るい黄色になってきます。

この作業を、染め用語で、媒染といいます。

陰干しして完成!

ハンカチにつけた輪ゴムやビー玉をはずして、水洗いします。

よく絞って、陰干ししたら、完成です。

玉ねぎの皮から出た色とは思えない、明るいキレイな黄色になりますよ。

草木染め 簡単な方法をお伝えしましたが…ひとつだけ注意点があります。

かなり簡単な方法で、草木染めをご紹介いたしました。

細かいことを言えば、綿100%の布にはタンパク質を入れることが必要だし、

染液には、1回ではなく、何度も浸けたほうが色がはっきり出ます。

でも、この方法でも、きちんとキレイに染まります。

ご自宅で楽しむ分には、十分かと思いますので、ぜひ参考にしてみてください。

ただし、ひとつだけ注意点があります。

草木染めは、どうしても、色落ちしやすいんです。

これは、自宅でやったからではなく、染物屋である私たちが染めても、同じこと。

草木染めは、天然染料ゆえ、色落ち・変色・退色は避けられないのです。

そこで、私たち「貴久」では、色が変わったり、あせたりした場合に、

アフターサービスとして、通常の染め直しの半額で染め直しをさせて頂いております。

★ 自分で染め直しをしてみたい方

貴久の【染めるーむ KIKYU】でどうぞ。

草木染や藍染め・ベンガラ染め等の天然染料を使った染め体験が出来ます。
自分で染めたいものを持ち込んで頂いても良いので、是非ご利用ください。

【染めカフェ KIKYU】はコチラ

色を染め重ねることで、また違った色合いを楽しむこともできますよ。

草木染めならではの、優しくやわらかい色合い。

ぜひ、ご自身で体感してみてください.

【初めての草木染め おためしセット】

「貴久」では、初めて草木染めをされる方のために簡単に草木染めを体験して頂ける
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このセットで約100gの被染物を染めて頂くことが出来ます。
媒染剤のミョウバンや不織布袋も同封されていますので、すぐに染めて頂けます。

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