
草木染めで、毛糸やウールを染めたい。
ふわふわの毛糸に、やわらかな草木染めの色は、とてもよく似合いますよね。
でも、毛糸やウールは、とてもデリケートな素材。
綿などの布を染めるのとは違って、毛糸やウールを染めるときは、少しだけコツが必要なんです。
コツといっても、そんなに難しいことはありません。
少し気をつけるだけで、誰でも簡単に、草木染めの毛糸を作ることができるんです。
草木染め 毛糸やウールを染める方法は?
では、毛糸やウールを草木染めする方法を、順番にご説明いたします。
【準備するもの】
・市販の生成りの毛糸(ウール100%)
・媒染剤(ミョウバン)
・染めたい材料
(玉ねぎの皮、ヨモギの葉、花びら…)
・大きめのお鍋
・菜箸
毛糸の下準備をする
毛糸を染める前の下準備として、毛糸を輪っか状の束(カセ)にしておきます。
これは、お鍋の中で煮染めするときに、毛糸が絡まらないようにするためです。
椅子の背などを使うと、グルグルとまわすだけで、簡単に輪っか状になります。
カセにしたら、輪っかがほどけないように、別糸で3ヶ所くらいゆるめに止めておきましょう。
下準備が終わったら、たっぷりのぬるま湯(30℃〜40℃)に浸けておきます。
先に媒染する
綿や麻素材などは、染めた後に媒染するのですが、毛糸などウール素材は、染める前に媒染します。
まず、媒染剤(ミョウバン)を、毛糸がゆったり浸かるくらいのお湯に溶かします。
手が入れられるくらいの温度(30℃〜40℃)まで冷めたら、ぬるま湯に浸けていた毛糸を入れます。
そして、ゆっくりと時間をかけて、沸騰直前まで温度を上げていきます。
その後、弱火にして、そのまま30分ほどクツクツと煮てください。
火を止めたら、そのまま放置して、自然に冷めるのを待ちます。
染液を作る
媒染している間に、別のお鍋で染液を作りましょう。
染液の作り方は、使う材料にもよりますが、簡単に言えば、
染めたい材料を煮て色を出す→材料を取り出して染液にする
例えば、玉ねぎの皮を材料とすると、
ネットに入れた玉ねぎの皮をたっぷりの水に入れて、お鍋にかけて色を煮出す
↓
色が出てきたら、ネットごと玉ねぎの皮を取り出す
こうしてできたものが、染液です。
材料はなんでも構いませんので、好きなものを使ってください。
ちなみに、玉ねぎの皮だと、きれいな黄色に染まります。
できた染液は、手が入れられるくらいの温度(30℃〜40℃)まで冷ましておきましょう。
染色する
いよいよ染色します。
冷ました染液に、媒染した毛糸をゆっくりと浸けていきます。
そして、媒染と同じように、ゆっくりと時間をかけて、沸騰直前まで温度を上げた後、弱火で40分〜1時間ほど煮染めします。
染めムラにならないように、ときどき、菜箸で、毛糸を優しくゆっくりと、上下に返すように動かしてください。
火を止めたら、放置して自然に冷めるのを待ちます。
温度が下がっていく間にも、ぐんぐん染まっていきますので、そのまま一晩ほど放置しましょう。
洗う→乾かす
染液が冷めたら、毛糸を取り出し、ぬるま湯で優しくすすぎ洗いします。
色が出なくなるまで洗ったら、仕上げに、柔軟剤を入れたお湯で洗います。
そうすると、毛糸がふんわりとやわらかく、風合いがでます。
軽く脱水して、陰干したら完成です!
日陰の風通しのいい場所で、ざるなどに広げ干すか、カセのまま、物干し竿に吊るしてもいいですね。
【草木染め 毛糸やウールを染める方法】失敗しないコツ3つ!
毛糸やウールを染色するときに気をつけなければいけないのは、フェルト化のこと。
ウール素材はデリケートなので、気をつけて扱わないと、フェルトのようになってしまうのです。
そこで、毛糸がフェルト化しないために、気をつけるべきコツを3つお伝えします。
急激な温度変化に気をつける!
ウール素材の毛糸は、急激な温度変化にとても弱いです。
例えば、「煮染めした熱い温度の毛糸を、冷たい水で洗う」などすれば、毛糸がギュッと縮まり、フェルト化の原因となってしまいます。
なので、毛糸の温度が急激に変化しないように、
・毛糸は冷めた染液に入れる
・ゆっくりと温度を上げていく
・自然に冷ます
・洗うときはお湯を使う
など、温度変化には十分に気をつけましょう。
乱暴に扱わない
ウール素材の毛糸は、とてもデリケートで摩擦に弱いです。
なので、優しくゆっくりと扱ってください。
特に、煮染め中に、毛糸を菜箸で動かすときは、ゆったりと静かに扱いましょう。
乱暴に動かすと、フェルト化の原因にもなりますし、カセもバラバラになってしまいます。
60℃〜90℃で染める
ウール素材の毛糸は、90℃以上の高温には弱いのですが、60℃以上でないと染まりません。
なので、煮染めするときは、沸騰直前まで、ゆっくりと温度を上げて染めていきましょう。
また、何回も火にかけるとフェルト化が進んでしまうので、1回でしっかりと染め上げてください。
いかがでしたか?
綿などの布と違って、ウール素材の毛糸を染める時は、知っておくべきコツがあります。
火加減や温度に気をつけたりと、少し手間がかかりますが、
実は、ウール素材の毛糸は、綿などの布よりも、はるかに染まりやすいんです。
しっかりと色が入るので、草木染めの色をより味わうことができますよ。
ふんわりとした毛糸に、草木染めのやわらかな色をのせて、その風合いをぜひ楽しんでみてください。

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