草木、柿渋染めの自然な色合い。
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草木染め 万葉集にも使われていた茜(あかね)

【万葉集】に詠まれていた茜(あかね)

「あかねさす」この言葉一度は聞いた事がありますでしょう。
【万葉集】に詠まれた歌の枕詞に使われています。

「あかねさす紫野行き標野行き野守は見ずや君が袖振る」 額田王の歌
「あかねさす日は照らせれどぬばたまの夜渡る月の隠らく惜しも」 柿本人麻呂の歌

これらの歌はよく知られた有名な歌です。

「あかねさす」は「日」「照る」「昼」「紫」などにかかる枕詞です。
その色合いは空の澄んだ日に、太陽が輝いて見えるような、赤にわずかに
黄が差し込んだような色といえます。
茜(あかね)にはそのような色を表すことの出来る色素が含まれています。

その由来を聞くだけでもとても趣の有る色だと思いませんでしょうか。
古くは【万葉集】の歌の枕詞にも使われた色。
昔の歌人の心をもつかんだ茜色(あかねいろ)は、草木染めでしか出せない色目です。

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植物としての茜(あかね)

茜(あかね)はアカネ科アカネ属のつる性多年生植物です。
茎は自立する事が出来ずに、小さい逆刺により他物にひっかけて成長していきます。

夏から秋にかけて直径は4mmくらいの小型の黄白色の花を付け、冬には地上部は枯れてしまいます。
世界の温・暖帯に生息しその種類は50種類以上あるといわれています。

染色に使用する代表的なものはインド茜・日本茜・西洋茜などがあります。
インド茜と日本茜はハート型をした4枚の葉を輪生するのに対し、西洋茜は6枚の葉が
輪生することから「ムツバアカネ」とも呼ばれています。

草木染めの染料としての茜(あかね)

茜の名は「赤根」の事で、天然の色素の赤を代表する色素を持ちます。
オレンジ色の根に赤色色素があります。
染色には根を乾燥させてチップ状にしたものを使用します。
その根を煮出した汁にはアリザリン・プルプリンという色素が含まれています。

アリザリン・プルプリンのみで染めた場合は赤みの強い色に染まりますが、
普通に煮出して染めると黄味の強いオレンジ色になります。
これは、アカネの根に他の色素が存在し混ぜあわされる事で複雑な色になるからです。
まさにこのことが草木染めで染めた色目が、深みの有るやさしい色目になる所以です。

赤系の色に染まる染料として、アカネのほかには紅花や蘇芳(すおう)があります。
そのなかでもアカネはもっとも古くから使われて大変重宝されていました。

アカネによる染色の歴史は深く、正倉院にも色鮮やかな茜による染の品物が数多く残されています。

インドアカネ染料

薬用としての茜(あかね)

染色用途以外に、薬用としてその根を天日で十分に乾燥させたものを茜草根(せんそうこん)といい、
止血や解熱強壮剤とし,咳止め,去痰作用や,平滑筋の収縮をうながす作用がしられています。

採取法は、10~11月ごろに根を掘り、水洗いをしてから乾燥させます。
乾燥した根(茜草根)を10g程度煎じる。
その煎じた汁を「煎汁」あるいは「湯液」といってこれを飲みます。
味は苦。効能としては止血、通経、強壮、尿決などに用いると記されています。
茜で染めた布は、女性の腰巻にも用いられましたがこれは女性の生理痛、生理不順等の予防のためでも
あったようです。

又茜(あかね)の根を酒に漬け込み熟成させて美しい黄赤色のアカネ酒を作ったりもするようです。
このお酒は、強壮薬として飲用されている様です。

アカネ薬用

見直される草木染め

茜(あかね)は東西を問わずに古くから薬や染料として用いられてきました。
しかし、色素の成分であるアリザリンが化学的に合成され、染料として用いられるようになると、
染料としての茜(あかね)の使用量は激減していく事になります。
皆さんもご存知のように、手間がかからず安価な合成染料が主流になっていくのです。

現在、化学染料が使われ始めてから約100年が過ぎ、草木染めのよさが見直されつつあります。
草木染めの安全性(天然の染料を使っているので安全性が高い)・環境に優しい(エコである)
そしてなにより化学染料では草木染めのような複雑で淡い色目が表現できないのもその要因でしょう。

貴久では、草木染めの複雑な色目が人を癒す事が出来る【ボタニカルライフ】を提案しております。
お客様に「染のあるセイカツ」を楽しんで頂くために様々な草木染めアイテムをご用意しております。

草木染めアイテムはこちらです。↓
草木染めアイテム

ちなみに店の暖簾も茜色に染めています。

暖簾

ボタニカル草木染めとボタニカルライフ

草木染めのやり方 簡単に自宅でもできる方法を染物屋がお伝えします。

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