草木染め 毛糸を染める方法は?染物屋が伝える失敗しないコツ3つ

投稿日:2018年12月15日 | 最終更新日:2022年7月10日

 

草木染めで、毛糸やウールを染めたい。

ふわふわの毛糸に、やわらかな草木染めの色は、とてもよく似合いますよね。

でも、毛糸やウールは、とてもデリケートな素材。

綿などの布を染めるのとは違って、毛糸やウールを染めるときは、少しだけコツが必要なんです。

コツといっても、そんなに難しいことはありません。

少し気をつけるだけで、誰でも簡単に、草木染めの毛糸を作ることができるんです。

草木染め 毛糸やウールを染める方法は?

では、毛糸やウールを草木染めする方法を、順番にご説明いたします。

【準備するもの】

・市販の生成りの毛糸(ウール100%)
・媒染剤(ミョウバン)
・染めたい材料
(玉ねぎの皮、ヨモギの葉、花びら…)
・大きめのお鍋
・菜箸

毛糸の下準備をする

毛糸を染める前の下準備として、毛糸を輪っか状の束(カセ)にしておきます。

これは、お鍋の中で煮染めするときに、毛糸が絡まらないようにするためです。

椅子の背などを使うと、グルグルとまわすだけで、簡単に輪っか状になります。

カセにしたら、輪っかがほどけないように、別糸で3ヶ所くらいゆるめに止めておきましょう。

下準備が終わったら、たっぷりのぬるま湯(30℃〜40℃)に浸けておきます。

先に媒染する

綿や麻素材などは、染めた後に媒染するのですが、毛糸などウール素材は、染める前に媒染します。

まず、媒染剤(ミョウバン)を、毛糸がゆったり浸かるくらいのお湯に溶かします。

手が入れられるくらいの温度(30℃〜40℃)まで冷めたら、ぬるま湯に浸けていた毛糸を入れます。

そして、ゆっくりと時間をかけて、沸騰直前まで温度を上げていきます。

その後、弱火にして、そのまま30分ほどクツクツと煮てください。

火を止めたら、そのまま放置して、自然に冷めるのを待ちます。

染液を作る

媒染している間に、別のお鍋で染液を作りましょう。

染液の作り方は、使う材料にもよりますが、簡単に言えば、

染めたい材料を煮て色を出す→材料を取り出して染液にする

例えば、玉ねぎの皮を材料とすると、

ネットに入れた玉ねぎの皮をたっぷりの水に入れて、お鍋にかけて色を煮出す

色が出てきたら、ネットごと玉ねぎの皮を取り出す

こうしてできたものが、染液です。

材料はなんでも構いませんので、好きなものを使ってください。

ちなみに、玉ねぎの皮だと、きれいな黄色に染まります。

できた染液は、手が入れられるくらいの温度(30℃〜40℃)まで冷ましておきましょう。

染色する

いよいよ染色します。

冷ました染液に、媒染した毛糸をゆっくりと浸けていきます。

そして、媒染と同じように、ゆっくりと時間をかけて、沸騰直前まで温度を上げた後、弱火で40分〜1時間ほど煮染めします。

染めムラにならないように、ときどき、菜箸で、毛糸を優しくゆっくりと、上下に返すように動かしてください。

火を止めたら、放置して自然に冷めるのを待ちます。

温度が下がっていく間にも、ぐんぐん染まっていきますので、そのまま一晩ほど放置しましょう。

洗う→乾かす

染液が冷めたら、毛糸を取り出し、ぬるま湯で優しくすすぎ洗いします。

色が出なくなるまで洗ったら、仕上げに、柔軟剤を入れたお湯で洗います。

そうすると、毛糸がふんわりとやわらかく、風合いがでます。

軽く脱水して、陰干したら完成です!

日陰の風通しのいい場所で、ざるなどに広げ干すか、カセのまま、物干し竿に吊るしてもいいですね。

【草木染め 毛糸やウールを染める方法】失敗しないコツ3つ!

毛糸やウールを染色するときに気をつけなければいけないのは、フェルト化のこと。

ウール素材はデリケートなので、気をつけて扱わないと、フェルトのようになってしまうのです。

そこで、毛糸がフェルト化しないために、気をつけるべきコツを3つお伝えします。

急激な温度変化に気をつける!

ウール素材の毛糸は、急激な温度変化にとても弱いです。

例えば、「煮染めした熱い温度の毛糸を、冷たい水で洗う」などすれば、毛糸がギュッと縮まり、フェルト化の原因となってしまいます。

なので、毛糸の温度が急激に変化しないように、

・毛糸は冷めた染液に入れる
・ゆっくりと温度を上げていく
・自然に冷ます
・洗うときはお湯を使う

など、温度変化には十分に気をつけましょう。

乱暴に扱わない

ウール素材の毛糸は、とてもデリケートで摩擦に弱いです。

なので、優しくゆっくりと扱ってください。

特に、煮染め中に、毛糸を菜箸で動かすときは、ゆったりと静かに扱いましょう。

乱暴に動かすと、フェルト化の原因にもなりますし、カセもバラバラになってしまいます。

 60℃〜90℃で染める

ウール素材の毛糸は、90℃以上の高温には弱いのですが、60℃以上でないと染まりません。

なので、煮染めするときは、沸騰直前まで、ゆっくりと温度を上げて染めていきましょう。

また、何回も火にかけるとフェルト化が進んでしまうので、1回でしっかりと染め上げてください。

いかがでしたか?

綿などの布と違って、ウール素材の毛糸を染める時は、知っておくべきコツがあります。

火加減や温度に気をつけたりと、少し手間がかかりますが、

実は、ウール素材の毛糸は、綿などの布よりも、はるかに染まりやすいんです。

しっかりと色が入るので、草木染めの色をより味わうことができますよ。

ふんわりとした毛糸に、草木染めのやわらかな色をのせて、その風合いをぜひ楽しんでみてください。

 

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